気候変動のニュースは難しすぎて、ついスルーしてしまう……そんな経験はありませんか?でも、私たちが日々接しているスポーツやコーヒーの話題も、実は「気候」の入り口になるかもしれません。本記事では、TEDスピーカーであるジャーナリストが語った“伝え方の工夫”から、私たち一般人にもできるアクションのヒントを探ります。
▶引用元:How to Make Climate Stories Impossible to Ignore | Katherine Dunn | TED
この記事のポイント
- 気候変動は「自分ごと化」できる話題から伝えるのが効果的
- 報道の現場でも、日常的な話題に気候の視点を加える動きが進行中
- IPCCレポートのような大きな話も、小さな視点からつなげられる
- 世界中のジャーナリストが気候報道の新しい形を模索している
- 私たちも“自分のマンゴー”を見つけて発信する力になれる
気候変動のニュース、なぜ届きにくい?
IPCCレポートは、気候変動に関する世界最高峰の研究成果が詰まった資料です。しかし、その情報量や専門性の高さから、一般の人が目を通すことは稀です。多くの人が「忙しすぎて読む気になれない」と感じており、そもそも自分とは関係ないと思いがち。これは、気候変動が“遠い話”に聞こえてしまう大きな理由です。
気候の話題を「自分ごと」に変える方法
講演者が紹介したのが「Find Your Mango(自分のマンゴーを見つける)」という考え方です。エジプト人編集者は今年のマンゴーが美味しくないことに気づきます。「あれ?なんか違うぞ」と思って調べてみると、その原因が気候変動による生産地の変化や収穫環境の悪化だったのです。これが身近なものを気候の切り口に使うという方法です。たとえば、ある国ではサッカー、また別の地域ではコーヒーや食文化が「マンゴー」になります。興味のある話題を通してなら、気候の話もぐっと親しみやすくなります。
ジャーナリスト600人が探る新しい伝え方
講演者が参加する「Oxford Climate Journalism Network」では、世界50か国以上から600人以上のジャーナリストが、気候変動の伝え方を学び合っています。彼らは単に環境ニュースを報道するのではなく、政治、ビジネス、スポーツなどあらゆる分野に「気候の視点」を持ち込もうとしています。これは、私たちが日常生活でニュースを見るときのヒントにもなります。
地元のニュースにも気候変動のヒントがある
AFP通信などの報道機関では、極端な天気と気候変動を関連付けるガイドラインを設ける動きもあります。たとえば、異常気象による保険料の上昇や水不足といった話題も、単なる生活情報ではなく「気候変動の現れ」として伝えられるようになってきました。
「大きな話」と「小さな話」をつなげる工夫
たとえば「電気技師が足りない」という話題は一見、地味に思えるかもしれません。でも実は、再生可能エネルギーの普及には欠かせない話。こうした現実的で身近な話題こそが、気候変動の全体像を理解する助けになります。「大きな気候の話」と「足元の暮らしの話」は、つながっているのです。
成功のハードルは高い。でも前に進もう
「気候変動を止める」ことが究極の目標ですが、それを実現するのは容易ではありません。だからこそ、小さな変化を積み重ねる姿勢が重要です。ジャーナリズムの世界だけでなく、私たち一般の市民も、自分にできる形で「伝える」役割を担っていけるのです。
もしこの内容を英語で伝えるなら?
「自分のマンゴーを見つけて」
自分にとって親しみのある切り口から話すという意味
「大きなニュースじゃなくても、気候の話は意味がある」
「伝えることは伝染する」
1人が気候について話せば、他の人にも広がる
「すべてを電化する。でも誰が配線するのか?」
現実的な問題にも目を向けよう
「小さく始めて、でも継続することが大事」
個人でできるアクションの基本姿勢
最後に
気候変動は、専門家やジャーナリストだけの問題ではありません。「自分のマンゴー」を見つけて、日常の中に気候の視点を取り入れることが、理解への第一歩になります。身近な話題と気候をつなぐ工夫をすることで、もっと多くの人に届くメッセージになるのです。